生ゴミ処理機業界は過当競争が激しい業界、購入側のユーザーは一円でも安くと、ゴミを処理するのにお金などと、かなりの努力で各メーカー製品に合い見積もりを出す。目の寄る所には玉が寄る。只でさえ狭い業界で熾烈な戦いが勃発する。しかし、本当のライバルは実はほかにいる。

 今から四、五年前の話。東京近郊のA市でのこと、市街の中心にあるRホテルから、生ゴミ処理機それも350kg処理での引き合いがあり早々出かけた。……総務の課長さん曰く「従来のゴミ処理全て、産業廃棄物として業者に委託していたが、ご時世柄、当ホテルも生ゴミについては自己施設内処理でやりたい」とのこと。特に生ゴミについては、業者が引き取りに来るまで臭わないよう冷蔵庫に保管するなど大変苦労している。それを生ゴミの発生時点で即処理できればとかなり期待している。…しかも、どうも従来の産廃業者の請求内容が実に不審な点があるそうで。油脂類の処理も他のものも、出ないはずの日にも、請求がある。そこで一、二ヶ月実際ホテル側がゴミ量を計測して見ると、業者の請求と実量にかなりの差が有り、年間に直すと実に一千万円以上の差を生じたそうだ。うちの生ゴミ処理機を買ってくれれば、その差額だけでたった1年半で償却してしまう。かなりの感触の良さで気をよくして仮見積もりをおいて帰ったわけだ。

 しかし、半月たっても一月たってもなしのつぶて、痺れを切らしてアポイントをとって訪問してみると、今度は課長さん、うって変わって浮かない顔。……早い話、今回の生ゴミ処理機導入については、延期せざるを得ないことになったとのこと。渋々話されたことには、所詮お宅の機械は生ゴミだけしか処理できないのが問題だった。実はあれから、業者の方へ満を持して、実量との差額の返還と生ゴミの自己処理をかなり強硬に言い渡したところ、差額はともあれ、生ゴミは結構です、などと美味しい所なしではとてもつき合えないとの物言い、即日取引中止としたそうだ。しかし、それからが大変だった。市内近郊の他業者へ取引を申し込んだところ、これまたビックリ。どの業者も判を押したように、にべもなく全部断られたそうだ。客商売の雄のホテル業でゴミ処理が滞れば死活問題。よく調べてみればその業者は、実はこの地方の業界のボス的存在だった……結果は想像はつきますねー。ホテルのお偉いさんが菓子折もって、業者に協力(詫び)をお願いに行って事なきを得たそうだ。…… かなりZOOとした話でしょう。

 新しい市場だと思ったが実はずーと前から業とした人がいたということだ。デモ今は産業廃棄物業者さんが生ゴミ処理機買って処理する時代だ。引き合いの四分の一は業者サンだ。